理由の分からない不登校はどうしたらいいの?
私を差し置いて誰が”若干アクティブな不登校”の権威を名乗れようか、いや名乗れまい。コバヤシです。
小学校6年、お受験タイム真っ只中という誰もが張り詰めるタイミングで学校と塾を飛び出し、晴れて栄光ある不登校という称号を勝ち取った私。
それからというもの、世の中にはびこる”当たり前”という巨悪と戦いながら、様々な理由からくる”実に実りのある不登校ライフ”を送ってきました。
不登校とは
- 反抗期
- 縛られた生活から抜け出したい
- 部屋に閉じこもる事で他者から降りかかる圧力から解放されたい
- いじめられている
- 何もしたくない
- 学校で学ぶ事なんて何があるんだろう
今思い返すと、私が経験してきた不登校の理由を挙げるだけでもこんなに種類があります。
実は不登校というものは簡単に「不登校」という一言だけでまとめる事はできません。
大抵の場合、親や周りから見たらただの甘えや怠慢としか見られない事が多い不登校ですが、当の本人達はとてつもなく苦しんでるわけですね。少なくとも、罪悪感は感じています。
じゃあなぜ、親や周りの目を気にしながらも学校に行くという”簡単な事”が”簡単じゃなく”なってしまうのか。
いじめにについてはもはやテレビドラマなどでもたくさん取り扱われているので、僕が本当に伝えたい「理由の分からない不登校」についてフォーカスします!
不登校の子供の中で起きている大事件
「理由の分からない不登校ってなんだよ言い訳ばっかしやがって!」
まあまあそう仰らず、これは大事件なのです。
理由の分からない不登校の最初期段階の症状として、①”急に何も出来なくなる”という事があります。それまでは当たり前に出来ていたのに、です。
そして何も手につかなくなる状態が次第にコントロール出来なくなり、②”思うようにいかない事への焦り”がやってきます。
焦れば焦るほど負の連鎖が続き、周りの人間から見放されていくに従って自分すら自分を信じられなくなり、③”もう何も出来ないという自覚”に潰されるわけです。
そもそもなぜこんな事が起こるのかですが、小さなストレスが積み重なるうちに、自分の頭の中の回線が一気にショートして、つぶれちゃうわけです。
これはこうなった事がある人にしか分かりませんが、皆さん思い返してみてください。きっと小さい頃から何かと周りに左右されやすく、人一倍センシティブな性格をしていたんじゃないでしょうか。
小さなストレスの積み重ねが原因なわけですから、最後は小さな出来事でコロっとショートしてしまう事も多々あります。自分でも気づかないような小さな事です。一度ショートしてしまったら、びっくりするくらい何もできなくなってしまいます。
自分すら気づかぬうちに取り返しのつかない事になっているのですから、それはもう”迷宮入りの大事件”が心の中で起きちゃってるわけです。シャーロックホームズだって両手を挙げて降参しちゃいます。
このタイミングで親が「学校行け!将来がどうなってもいいのか!金払ってるのは誰だと思ってるんだ!」という必殺技を使ったらもう最悪です。「お前の事を思ってるからこう言ってるんだ!」と強く言っても、子供の中には一ミリも届きません。「自分に一番近い最も信頼できるはずの親ですら自分を理解してくれない」という事実だけが強く焼きつきます。
不登校と反抗の関連性
不登校の子供によくみられる反抗的な姿勢。周りはよく、これを単に反抗期だとして片付けてしまいがちです。しかし、これは不器用な子供なりの精一杯のメッセージでもあります。
小さなストレスが原因なわけですから、子供は自分でも理解できません。親に聞かれるたびに説明しても”甘え” ”怠慢” で片付けられるわけですから、怒鳴り返す事で「分からないけど辛いんだよ!」と伝えるしかありません。とても不器用で曖昧ですが、子供なりの精一杯なメッセージです。
最悪のケースになる前に
親と子供の不登校を取り巻く喧嘩が過激になるにつれ、子供の中にある「ちゃんとしなきゃ」という理性が薄れていきます。そして最後には「誰も理解してくれない」という”悲劇のヒーローモード”に突入してしまいます。そうしたらもう、生半可な事じゃ立ち直れません。端から見たら悲劇のヒーローを気取る生意気なガキですが、当の本人からしたら部屋を出るだけで親に責められ、部屋にいても責められ、家の中にすら安息の地が無くなります。親と顔も合わせたくありません。 ”家出や自殺を決意する程の大事件” へと発展していきます。
その前に親がしてあげられる事って”一番シンプルだけど、一番難しい事”なんです。
それは ”子供の足掻いてる現状をちゃんと理解した上で「焦る必要はなく、人間はこうでなきゃいけないというルールはない。」と優しく伝えてあげる事”
子供の中で自身を苦しめていた枠組みを取り払ってあげることで、これが子供の中で立ち直るための架け橋となっていきます。
理解して受け入れ、あえて何もしない。これって、とても単純で、とても難しい事です。ですが、相手との信頼関係を築く最良の手段であるのも事実です。解決策なんか提示しなくていいんです。何をするべきかなんて知りません。自分だったらこうするなんてアドバイスも知ったこっちゃありません。ただ黙って子供の選択肢を広げてあげる事が一番手っ取り早く効果的なのです。
北風と太陽みたいな話ですね。
また、自分の子供がインターネットやオンラインゲームなどにハマりだしたら、めちゃくちゃ不安ですが、ある程度は許してあげてください。インターネットは確かにモラルを逸脱した事柄が蔓延しているのも事実なのですが、その子供にとっては唯一自分を知らない人たちとと接する大事なチャンスなのです。普段接する事のない大人たちから大事な事を学べるチャンスでもあります。新たな興味が芽生える事もあります。ですから、それを制限してしまうということは、子供の道を閉ざすみたいなものなのです。
私がそれをやっていた当時はSkypeもさほどメジャーではなくチャットがメインだったので、思い切り自分を偽って過ごしていました。そのおかげで、自分を他の人の観点から見つめ直す良い機会にもなりました。
時代が進んで、インターネットで全ての人々が気軽に色んなところへ出向き、情報を集め、気軽に相談が出来る時代が現代です。このブログを読んでくださっている方も、私も、インターネットという場で繋がる事ができたわけです。ですから、自分の経験した事がない手段を子供が選んでいたとしても、それは何かしら結果をもたらしてくれるものだと思って、見守ってあげて欲しいのです。
もしも子供をとてつもなく追い込んでしまったら
放っておきましょう!!! 完全に見放すという事ではなく、見守りつつ、放っておきましょう!!!
こうなってしまったら、どこかで蜘蛛の糸のように一つの解決策が突然ふらっと舞い降りるのを待つしかありません。変化は突然やってきます。あとは子供がそれを掴み取れるように、優しく背中を押してあげればそれでいいんです。
こんなことがあるかも知れません。
- 同じクラスにいる一言も喋らない無口な男の子が、ほとんど会話もした事ないのに、初めての遅刻をしてまで僕の最寄りの駅まで迎えに来てくれるかも知れません。
- 別のクラスにいる賑やかな大食い君が、子供を気遣って突然家の近くまで来て、「美味いラーメン屋教えてよ。一緒に食おうぜ。」なんて誘ってくれるかも知れません。
- クラスの担任をしている先生が、学校へ行くたびに叱りながらも、子供が留年しないように他の先生方に頭を下げてくださっているかも知れません。
こんな時には、優しくこんな言葉をかけてあげてください。
- 最寄りの駅まで迎えに来てくれた友達に悪いと、学校に行く準備を大慌てで手伝ったりして「早く行っといで!ちゃんとありがとう言うんだよ!」と。
- お金がないからと子供が断ったりなんてしたら、急いでお金を渡したりなんかして「こういう友達をお金を理由に無下にするな!」と。
- 「先生こんな風に言ってたよー」と、学校へ行っても怖い事ないよと毎日伝えてあげましょう
ありがとうと伝えること、友達を大事にすること、自分の知らないところで自分のために頭を下げてくれてる人がいるということ。こういった人として大事な事だけ伝えてあげれば、子供は自ずと学んでいきます。自分が実際に強く経験して成長できるわけですから、何よりも良い機会じゃないですか。
最後に
最後に、僕が見かけたとても短い、でも本質を突いたとても素敵なものを紹介したいと思います。
とある教育者の方が長年の経験を元にまとめたものだそうです。
子育て四訓
(1)乳児はしっかり肌を離すな
(2)幼児は肌を離せ 手を離すな
(3)少年は手を離せ 目を離すな
(4)青年は目を離せ 心を離すな
子供の感情というものは日々成長し、変化していきます。それに対応していくのはとても難しい事ですし、親としてはとても不安なのも事実です。ですが、不登校という普通はない経験が、後の自分の考え方や価値観にとても大きな経験をもたらしてくれます。不登校を克服するには、他者の力だけではとても足りません。自分の力だけでもダメです。環境と自分の意思が合わさって初めてその機会が訪れます。学校の外でも中でも、居場所を見つけられる場所へ自分で一歩進みだしてみましょう。